がんゲノム医療外来

がんゲノム医療外来の開始について

当院は2019年4月に「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、がんゲノム医療中核拠点病院である岡山大学病院およびがんゲノム医療拠点病院である広島大学病院と連携して、2020年4月から院外からの紹介患者さんの受け入れを開始しました。

がんゲノム医療とは?

当院は2019年4月に「がんゲノム医療連携病院」の指定を受け、がんゲノム医療中核拠点病院である岡山大学病院およびがんゲノム医療拠点病院である広島大学病院と連携して、2020年4月から院外からの紹介患者さんの受け入れを開始しました。

「がん」は様々な遺伝子の異常が積み重なることで発症し、その遺伝子の異常は患者さんごとに異なることが近年の研究により判ってきました。がん遺伝子を網羅的に調べ、個別に最も適した抗がん薬の情報を提供するのが、「がん遺伝子パネル検査」によるがんゲノム医療です。今までは一部の施設で自由診療として実施されていましたが、2019年6月1日に保険診療として導入されました。

がんゲノム医療外来の対象となる方

保険適応の対象となる患者さんは下記の通りです。

1. 下記のいずれかの診断を受けた方

  • 標準的な治療法が確立されていない希少がんや原発不明がんの方
  • 標準治療が終了となった、あるいは終了が見込まれる固形がんの方

2.全身状態や臓器機能等から、がん遺伝子パネル検査施行後に、化学療法の適応となる可能性が高いと主治医が判断した方

ご自身が対象となるかどうかは、現在治療を受けられている主治医とご相談ください。

がんゲノム医療外来をお受けできない場合

  • 紹介状がない方
  • がんの組織標本を提出できない方
  • 患者さん本人の来院が困難な方

がん遺伝子パネル検査費用

いずれも高額療養費制度の適応になります

  • 検査説明外来 80,000円(3割負担; 24,000円)
  • 検査結果説明外来 480,000円(3割負担;144,000円)

(注) 検査費用は保険の適用となりますが、検体を提出されてもがん組織の状態によっては検査自体が困難な場合があります。その場合も費用(検査説明外来80,000円)がかかります。

患者さんとご家族の方へ

がんゲノム医療外来の申し込みの手順

がんゲノム外来をご希望の方は、現在治療をうけておられる医療機関の主治医の先生に「安佐市民病院でがんゲノム医療外来を受けたい」と相談してください。

その際、必ず主治医の先生に、当院のホームページのがんゲノム医療外来についての「主治医の先生方へ」の欄をご覧いただいてから、準備していただくようにお願いしてください。

当院のがんゲノム医療外来の対象となるかどうかなど、ご不明な点がございましたら、当院の「がん相談支援センター」にお電話ください。専門の看護師が相談に応じますが、それでもなお不明の場合は、外来で医師が相談に応じます。

申し込みから結果説明までの流れ

※初診から検査結果説明まで約2ヵ月の期間が必要です。

がんゲノム相談窓口

がん相談支援センター
電話番号 082-815-5533
受付時間 9時~17時(土日祝、8/6、12/29~1/3を除く)

主治医の先生方へ

予約方法について

  • お申込みは、「がんゲノム医療外来用診療申込書」に必要事項を記入の上、紹介状(診療情報提供書)を一緒に地域医療連携室へFAXでお申し込みください。(FAX:082-815-5691)
  • 内容の確認を行ってから、診察日を2日以内に連絡いたします。

受診当日持参していただく書類

  • がんゲノム医療外来用診療申込書(PDFワード
  • 紹介状(診療情報提供書)
  • 病理組織診断レポート
  • 最新の血液検査データ
  • これまでの画像検査

パラフィン包埋(FFPE)ブロックについて

  • がんゲノム医療外来受診後に、郵送方法の詳細を当院から紹介元医療機関へご連絡します。
  • 提出していただくパラフィン包埋(FFPE)ブロックは、当院にて必要枚数のスライドを作成後ブロックは返却いたします(腫瘍組織が残っていない可能性があります)。
  • 以下のような組織から作成された標本は核酸の状態が悪く検査ができない可能性があります。
  1. 10%中性緩衝ホルマリン以外で固定された組織
  2. ホルマリン固定時間が長い(48時間を超える)組織
  3. 切除後ホルマリン固定まで常温で30分以上かかった組織
  4. 作成後3年以上経過したブロック
  5. 酸性の脱灰液で脱灰した組織

エキスパートパネル(専門家会議)について

がんゲノム中核拠点病院(岡山大学)、がんゲノム拠点病院(広島大学)とのエキスパートパネル(Web会議)に参加していただく必要があります。資料作成含め後日メールにてご連絡いたします。

【重要】お知らせしたいこと

  • がん遺伝子パネル検査は標準治療が終了した後の選択肢として考慮してください。
  • 検査の結果、実際に治療に到達できる患者さんは少なく1割程度と報告されています
  • 検査後の治療は、原則がんゲノム医療外来担当医ではなく、現在の主治医とご相談のうえ行っていきます。
  • 効果が期待される薬剤の情報が得られた場合でも、保険診療での治療は難しく、「自由診療」もしくは「県外施設での治験・先進医療」として治療を行う可能性が高いのが現状です。治療費は一部~全額自己負担となります。
  • がん遺伝子パネル検査の結果に基づいて治療を行っても、治療効果が得られない可能性もあります。