チーム医療

院内にはそれぞれの専門性を活かした12の医療チームが活動しています。チームは、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士、栄養士、MSW(メディカルソーシャルワーカー)などで編成されています。

看護師は認定看護師・NST療法士・呼吸療法士など資格を有し、最も患者さんのそばにいるメンバーとして決め細やかな看護を提供し活躍しています。

チームの積極的な関わりにより、より質の高い医療を提供できるよう努めています。

心不全チーム

狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患や、開心術後、心不全の患者さんに対し、十分な監視の下で運動療法を行う事により心機能や体力の回復をはかり、また生活習慣の改善指導により冠危険因子を減らし再発を予防することを目的として、医師、看護師、薬剤師、栄養士、臨床検査技師などの多職種で行っています。臨床検査部では運動療法の際の心電図モニターの監視や、運動負荷検査、運動処方の作成、運動指導を行っています。

心臓病教室

※当院心臓病教室の資料(PDFファイル)です。ご利用ください。

糖尿病チーム

糖尿病患者様をサポートするために、当院では糖尿病チームが活動しています。医師・看護師・薬剤師・管理栄養士・臨床検査技師・理学療法士・臨床心理士・歯科衛生士・医療クラークなどたくさんの職種で構成されています。糖尿病教室での集団教育や学習入院されている患者様への個別指導などを行っています。また、患者会である「つばさ友の会」での活動を通じ、患者様の気持ちに寄り添い、患者様自身が自分らしく糖尿病管理の自己管理ができるようにサポートしています。

NST(Nutrition Support Team) 栄養サポートチーム

患者さんひとり一人に応じて適切に栄養管理を実施するため、医師、歯科医師、薬剤師、看護師、管理栄養士、臨床検査技師など多職種が集まって実践するチームをNST(栄養サポートチーム)といいます。低栄養の患者さんや手術などで創部治癒促進の必要な患者さんなどの栄養についての話合い、またチームで患者さんの元への訪室を行っています。

食事だけでなく点滴や栄養剤も含め、栄養面でのサポートを行っています。

ICT(Infection Control Team) 感染制御チーム

ICTは各職種(医師、看護師、薬剤師、検査技師、その他医療技術職)で構成されており、感染症発生状況の把握・監視や院内の巡視、感染対策に関する勉強会を開催するなど院内の感染制御のために活動しています。

検査室からは主に耐性菌の検出状況などの情報を提供しています。

看護部褥瘡対策チーム

褥瘡予防と早期発見、褥瘡治癒促進を目指し活動しています。毎月の褥瘡発生患者さんの症例検討を行い、褥瘡リスク因子や看護介入について意見交換を行っております。発生状況は年々減少し、1%以下です。褥瘡対策に関する最新のエビデンスをもとにマニュアルの作成・改訂を行い、院内の褥瘡対策レベルアップを図っています。

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呼吸ケアチーム

呼吸ケアチームは、人工呼吸器からの離脱を目的とする呼吸ケアチームと、周術期の呼吸器合併症予防を目的とする呼吸リハビリチームの2チームで活動しています。

呼吸ケアチームでは、人工呼吸器が装着されている患者さんのラウンドを週1回行っています。ラウンドでは複数科の医師や薬剤師、栄養士による治療方針や呼吸器設定、投与薬剤、栄養剤の検討、理学療法士や看護師によるリハビリや体位管理、臨床工学技士による適切な使用機材の検討、また歯科衛生士による口腔状態の評価と口腔ケアの指導などを行っています。また、呼吸器装着患者さんに安全で質の高いケアを提供することを目的に、月1回、多職種による研修会を開催しています。

呼吸リハビリチームでは、肺と食道疾患の患者さんに対し、術後1日目から立位や歩行訓練等を理学療法士が行い早期離床に繋げています。また、口腔内環境の清浄化により、術後呼吸器合併症を減少させると言われており、術前から歯科衛生士が歯周病の治療や歯垢除去、歯磨き方法の指導などを行っています。

多職種によるチーム活動により、患者さんが早期に合併症なく回復していただけるよう努めていきます。

研修会は盛況です
カンファレンス風景
ラウンド風景

緩和ケアチーム

がん診療に携わる医師、看護師、薬剤師、臨床心理士、医療ソーシャルワーカーなどが専門の医療チームとなって、がん患者さんとそのご家族を支援します。

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高齢者支援チーム

チーム活動

当院の様々な専門性を持った職種がチームを形成し、これから増えてくる高齢者の入院、療養における総合支援を行うチームです。

急性期の治療が終了したあとの地域での在宅療養支援に切れ目なくつなげるために、多職種で行う総合評価を検討しています。また、看護師を中心とした認知症看護、退院支援、高齢者の倫理に対してサポートするグループ活動を行っています。

構成メンバー

医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士、医療ソーシャルワーカー

チーム会議

早期離床・リハビリテーションチーム

集中治療室では、患者さんの状態に応じ、早期からのリハビリテーションを医師、看護師、理学療法士と協働し行っています。安全に行えるよう多職種で開始する時期を検討し、手順に沿って行い、早期回復に向けた支援や、長期臥床による合併症予防に取り組んでいます。

医療安全対策チーム

医療安全対策チームは医療安全管理者・医師・薬剤師・看護師・臨床検査技師・放射線技師・理学療法士・臨床工学士・事務員の様々な職種で構成されています。インシデント・アクシデントの分析や対策などを検討したり、転倒転落防止や心電図モニター等適切な管理のためにラウンドをしています。また、全職員を対象とした医療安全に関する研修会の企画・運営などの活動も行っています。

AST(Antimicrobial Stewardship Team) 抗菌薬適正使用支援チーム

ASTは感染症患者さんへの適切な治療、耐性菌の発現・拡大予防などを目的に、抗菌薬の使用状況を確認し、抗菌薬の選択や投与量の提案のほか、感染症治療に必要な検査に関することなども主治医に提案、助言を行っています。

排尿ケアチーム

排尿ケアチームは、医師・看護師・理学療法士・薬剤師など多職種で活動しているチームです。尿漏れや尿が出ないなど排尿に関するトラブルを持った患者さんに対し専門的な知識や経験を活かし排尿を自力で出来ることを目的に活動しています。オムツやパットの選択方法、自己導尿指導などを行い、できるだけ生活に不自由さを感じることなく過ごせるように支援しています。

ASA肝臓チーム

慢性肝疾患患者さんやご家族の支援を目的とし、医師・肝臓コーディネーターの資格を有する看護師・薬剤師・臨床検査技師・管理栄養士・医療クラークの多職種で活動をしています。毎週肝臓カンファレンスを開催し、B型・C型肝炎ウィルスキャリアの方の受診推奨を図っています。

2ヶ月に1回肝臓病教室を開催し、講演後や患者からの相談に専門スタッフが対応し、肝疾患に関する情報を通じコミュニケーションの場となっています。

周術期管理チーム

患者の高齢化や重症化が進み、周術期医療の安全・質の向上を目的に、2018年から活動しています。患者さんが安心して手術を受けることができるよう、入院前から周術期リスク評価・支援を多職種で行っています。

摂食・嚥下チーム

「口から食べること」は、生きていくためにとても重要なことで、また喜びや楽しみにも繋がっています。しかし、加齢や廃用症候群、誤嚥性肺炎、脳血管疾患等の病気や障害により、「口から食べる」ことが難しくなられた患者さん(=摂食・嚥下障害患者さん)に対して、主治医の先生や病棟看護師さんと協同し、再び安全に口から食べる機能を取り戻していただくことを目指し、発足したのが「摂食・嚥下チーム」です。

「摂食・嚥下チーム」は、脳神経外科医師、歯科医師、耳鼻科医師、栄養士、薬剤師、言語聴覚士、摂食・嚥下障害看護認定看護師、看護師の多職種で構成されており、週1回、嚥下障害患者様の元をラウンドし、嚥下機能評価や口腔内の評価、食事指導、嚥下訓練の指導を実施しています。「口から食べること」で、治療やリハビリテーションへの意欲に繋がったり、また住み慣れた場所へと退院が出来るよう、チーム一丸となり患者さんと関わらせていただいております。

災害対策チーム

チームメンバーは、DMAT(Disaster Medical Team)に所属しているスタッフを中心に活動しています。DMATとは専門的な訓練を受けた、医師・看護師・コ・メディカルからなり、災害発生直後から活動できる機動性を備えた医療チームです。負傷者が多発する災害現場ではDMATや消防や警察、自衛隊などの関係機関と連携しながら救助活動と並行して医療活動を行います。その専門的なスキルを活かし、院内の災害についての学習会や災害訓練を企画し、災害拠点病院の役割を担うため活動をしています。

救急総合診療トリアージチーム

夜間・休日の救急患者が受診して最初に行うのが、院内トリアージです。当院では救急外来経験3年以上で、トリアージについて約1年間学習します。そして、このチームで3症例を発表し、承認された看護師が「トリアージナース」となります。このトリアージナースが救急受診された患者から症状やフィジカルアセスメントなど情報収集を行い、緊急度を判定します。その緊急度の判断から救急受診された患者の優先順位を決定します。

このチームでは院内トリアージの全症例の中から、看護師の判断に疑問やアンダートリアージ症例(適切な基準より低めの判断を行ってしまうこと)をチームで検討し質の高い院内トリアージに向け活動しています。