泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科

ご挨拶

~常に最先端を目指す取り組み~

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当科では日本泌尿器科学会において認定された泌尿器科専門医らによるプロフェッショナルな泌尿器外科の高度急性期医療を中心に行っています。

対象臓器は腎、尿管、膀胱、尿道などの尿路(尿の通り道)および前立腺、精巣、陰茎などの男性生殖器(精路)、内分泌臓器の副腎、さらに後腹膜(腹膜に包まれた腸の裏にある場所)に発生する疾患です。具体的には副腎腫瘍、腎臓がん、腎盂・尿管癌、膀胱癌などの尿路がん、前立腺癌などの悪性腫瘍や前立腺肥大症、尿路奇形、尿失禁(尿漏れ)などのさまざまな疾患に対して外科的治療、放射線療法、化学療法、内科的治療などを組み合わせた治療を行っています。

手術は低侵襲性を追求し、ほぼ全ての術式を負担の少ないロボット・腹腔鏡下手術で行い治療成績の向上とともに患者さんにやさしく満足していただける医療の両立を目指しています。特にロボット手術の症例数は国内屈指を誇りHigh Volume Centerとして稼働しています。当科のロボット手術・腹腔鏡下手術は泌尿器外科手術の経験を豊富に持ち日本泌尿器科学会/日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会が認定したロボット支援下手術指導医・腹腔鏡技術認定医のもとで行っています。

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現主任部長が広島大学より着任した2010年度以後(2022年度末まで)1,870件のロボット支援下手術・腹腔鏡下手術を行い開腹手術への移行は1%以下、輸血も1%以下で低侵襲手術の十分な実績から術後早期の社会復帰を実現させています。また悪性腫瘍に対する制癌効果においても従来の開腹手術と同等以上の結果を得ており、さらに臓器機能温存にも積極的に取り組み癌制御と術後QOLの両立を実現しています。
これらの手術実績は国内のみならず海外にも広く発信し高い評価を得ています。

(主任部長 三田耕司)

ロボット手術を中心とした泌尿器外科手術に特化した最先端医療の提供

体に負担の少ない治療の追求:ロボット支援下手術・腹腔鏡下手術

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ロボット支援下手術・腹腔鏡下手術の特徴は皮膚に小さな穴(5mm〜1cm程度)を空けて、その穴から二酸化炭素を入れて空間を作り、鉗子などの機器を体内に入れてすべての手術をお腹の中で行います。泌尿器科領域の臓器は後腹膜(お腹の後ろ側)にあるため従来の開腹術では大きな皮膚切開が必要ですが、ロボット支援下手術・腹腔鏡下手術は従来の開腹術に比べて皮膚や筋肉を切開する必要がないため、術後の疼痛が軽く、早期離床、早期社会復帰が可能となります。当科では一般には開腹手術で行われている術式もほぼ全てロボット支援下手術・腹腔鏡下手術で行っており術後7日目が退院日です。

ロボット支援下手術のご紹介

当院公式YouTubeチャンネルより

TBSニュースの動画サイト

RCC中国放送 
『執刀医の手となり指となり「"ダヴィンチ"にお任せ!」 ロボット手術の現場に密着』

令和4年10月24日(月) 、RCCテレビ 夕方の特集ニュースで当院の「ダヴィンチ手術」が紹介され、この動画がTBSニュースの動画サイトに掲載されています。

2022年度の治療実績

2022年度の総手術件数(前立腺生検をのぞく)は年間687件でした。

入院部門

入院患者総数は844人で入院手術件数は440件、術式別ではロボット・腹腔鏡下手術184件、開腹手術4件、経尿道的内視鏡手術226件、その他26件でした。疾患別では腫瘍に対する手術が最も多く、その内訳は副腎腫瘍5件、腎腫瘍・腎盂尿管腫瘍53件、膀胱腫瘍199件、前立腺がん114件などでした。

外来部門

外来患者総数は6,464人、初診・紹介患者数の1ヶ月平均は47人、外来手術件数は247件、前立腺生検320件でした。

代表的なロボット・腹腔鏡下手術

一般社団法人National Clinical DatabaseNCD)の手術・治療情報データベース事業への参加について

当科は、一般社団法人National Clinical DatabaseNCD)が実施するデータベース事業に参加しています。 

この事業は、日本全国の手術・治療情報を登録し、集計・分析することで医療の質の向上に役立て、患者さんに最善の医療を提供することを目指すプロジェクトです。

この法人における事業を通じて、患者さんにより適切な医療を提供するための医師の適正配置が検討できるだけでなく、当科が患者さんに最善の医療を提供するための参考となる情報を得ることができます。何卒趣旨をご理解の上、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

1.NCDに登録する情報の内容

201841日以降、当科で行われた手術と治療に関する情報、手術や治療の効果やリスクを検証するための情報(年齢や身長、体重など)を登録します。NCDに患者さんのお名前を登録することはなく、氏名とは関係のないIDを用いて登録します。IDと患者さんを結びつける対応表は当科で厳重に管理し、NCDには提供しません。

2.登録する情報の管理・結果の公表

登録する情報は、それ自体で患者さん個人を容易に特定することはできないものですが、患者さんに関わる重要な情報ですので厳重に管理いたします。

当科及びNCDでは登録する情報の管理にあたって、情報の取り扱いや安全管理に関する法令や取り決め(「個人情報の保護に関する法律」、「人を対象とした医学系研究に関する倫理指針」、「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」等)を遵守しています。

データの公表にあたっては、NCDが承認した情報のみが集計データとして公表されます。登録するデータがどなたのものであるか特定されることはありません。

3.登録の拒否や登録情報の確認

データを登録されたくない場合は、登録を拒否して頂くことができます。当科のスタッフにお伝えください。

また、登録されたご自身のデータの閲覧や削除を希望される場合も、当科のスタッフにお知らせください。なお、登録を拒否されたり、閲覧・修正を希望されたりすることで、日常の診療等において患者さんが不利益を被ることは一切ございません。

4.NCD担当者の訪問による登録データ確認への協力

当科からNCDへ登録した情報が正しいかどうかを確認するため、NCDの担当者が患者さんのカルテや診療記録を閲覧することがあります。

当科がこの調査に協力する際は、NCDの担当者と守秘義務に関する取り決めを結び、患者さんとIDの対応表や氏名など患者さんを特定する情報を院外へ持ち出したり、口外したりすることは禁じます。

本事業への参加に関してご質問がある場合は、当科のスタッフにお伝えください。また、より詳細な情報は下記に掲載されていますので、そちらもご覧ください。

一般社団法人National Clinical DatabaseNCD)ホームページ