RPA事例紹介

安佐市民病院のRPA
― 医療DXで、現場をもっと安全に、もっと効率的に

 RPAとは

RPARobotic Process Automation)とは、パソコン上で人が行っている「クリック」「入力」「コピー&ペースト」といった操作を記憶し、ソフトウェアロボットが人の代わりに実行する仕組みです。

あらかじめ実行時間を設定することで、夜間や休日でも自動的に業務を実行し、24時間365日稼働することができます。

医療現場には、転記・集計・チェック・帳票作成など、定型的でミスが許されない業務が数多く存在します。RPAはこれらを正確に処理できるため、業務効率化と医療安全を同時に実現する医療DXの中核技術として活用されています。

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Ⅱ 当院のRPA作成事例

事例① 病棟カンファレンス・IC同席件数の自動集計

従来は、病棟で手書き記録→月末に転記・集計という流れで行われ、記載漏れの確認も含め 約20時間/月 の負担となっていました。

RPA導入後は、集計が自動化され、確認と印刷のみの5分作業に短縮されました。正確なデータ取得も可能になっています。

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事例② 食物アレルギー事故防止チェック

食事オーダーの転記ミスや上書きにより、アレルギー関連のインシデントが発生していました。

RPAが全入院患者の「食事オーダー」と「プロファイル」を自動照合しリスト化することで、容易に対象者を把握することができインシデント防止に貢献しています。

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事例③ 乳がん診療における多職種連携 × RPA
― 日本乳癌学会 働き方改革コンテスト 第1位受賞

当院乳腺外科では、医師2名で年間約150例の手術と外来診療を行う多忙な体制の中で、文書作成業務が大きな負担となっていました。

20254月からRPAを導入し、以下の下書きを自動化しました

  • 退院サマリー
  • 紹介医への診療情報提供書・返書
  • 手術前、術後の報告書
  • 加算などのコスト漏れ防止チェック
  • 病理結果通知

定型化された文書に患者条件を当てはめることで、導入から約2か月で実運用を開始しました。その結果、医師事務作業補助者の業務負担が大幅に軽減され、医師が時間外に行っていた文書作成も激減しました。多職種連携の質と診療効率が大きく向上しています。

この取り組みは、日本乳癌学会 働き方改革コンテスト 第1位を受賞し、医療DXによる働き方改革の優れた実践例として高く評価されました。
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Ⅲ 当院のRPAの効果

2024年度アンケート調査より
自動化業務数:230項目(全職種で自動化を達成)
業務削減時間:1,650時間/月

職員の実感・効果

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時間外勤務は 月160時間削減 されています。

RPAは単なる省力化ではなく、職員の働き方改革と医療の質向上を同時に実現しています。

Ⅳ 学会発表・表彰・外部評価

当院のRPAの取り組みは、院内外からも高く評価されています。

主な受賞・表彰

  • 令和5年度 広島市立病院機構 理事長表彰(最優秀賞)

「多職種チームで取り組んだRPA導入」

  • 令和7年度 広島市立北部医療センター安佐市民病院長表彰(最優秀賞)

「職員全員を助ける院内DXの取り組み」

  • 日本乳癌学会 働き方改革コンテスト 1

「乳癌診療における多職種連携とRPAの活用」

  • 39回安佐医学会(最優秀賞(コメディカル部門)

「当院における緊急入院後の嚥下機能評価体制とRPAによる業務改善」

  • 41回安佐医学会(最優秀賞(コメディカル部門)

RPA導入による医療現場の業務効率化 ~2年間の取り組みと成果~」

  • 42回安佐医学会(最優秀賞(医師部門)

「乳癌診療におけるRPA(Robotic Process Automation)の活用」

学会発表

400 床規模の高度急性期病院におけるRPA(Robotic Process Automation)導入効果の検証」(第43回日本医療情報学連合大会)

「多職種チームで取り組んだRPA導入効果の検証」(第26回日本医療マネジメント学会)

「緊急入院患者に対する誤嚥窒息防止への取り組み」(医療現場におけるKAIZEN研修会in広島)

RPAを活用した嚥下造影検査における業務改善」(第24回フォーラム医療の改善活動全国大会)

「医療現場におけるRPA導入効果」(第26回日本医療マネジメント学会)

A病棟におけるRPARobotic Process Automation)を活用した内服未処方通知の効果」(日本医療マネジメント学会 第22回九州・山口連合大会)

「当院の嚥下機能評価・リハビリテーション体制におけるDXの推進」(第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学会)

「当院の嚥下機能評価・リハビリテーション体制におけるDXの推進―RPA導入の効果―」(第3回日本リハビリテーション医療デジタルトランスフォーメーション学会)

「当院理学療法部門におけるRPA導入による業務効率化」(第27回広島県理学療法学会)

RPAを活用した経管栄養投与患者における 経管投与不可薬剤のチェックとエラー防止への取り組み」(第5回日本服薬支援研究会/17回簡易懸濁法研究会)

RPAを用いたMRI検査患者の体内金属チェックシステムの導入」(第40回安佐医学会)

Robotics Processes Automationを用いた放射線治療患者スケジューリング業務の最適化に関する報告」(第1回 日本放射線医療技術学術大会)

 

講演

RPAを活用した、業務効率化への取り組み」(日本医療マネジメント学会広島支部 第20回学術集会)

「当院のRPA実践記録 〜多職種チームSOTTの取り組み〜」(第39回 広島県医療情報技師会)

「言語聴覚士の業務とDX」(第46回広島県医療情報技師会)

「多職種チームで取り組んだRPAを使用した看護師の業務改善」(第8回中国医療情報技師会研修会)

「医療現場を変える RPAの基本とその効果」(広島市立リハビリテーション病院研修会)

 

寄稿

「医療DX推進に向けてコメディカルスタッフとして貢献すべきことは何か? ~多職種RPAチームのリーダーとしての取り組み~」(全国自治体病院協議会雑誌(全国自治体病院協議会))