11)尿路感染症

泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科

尿路感染症とは主として細菌が尿道から侵入することにより、尿道、膀胱あるいは腎といった臓器に感染がおきた状態です。感染した部位によって、『腎盂腎炎』『膀胱炎』『尿道炎』に分類されます。

急性膀胱炎は、性的活動期にある女性が多くかかります。女性は肛門と外尿道口(尿の出口)が男性より近くにあるため、肛門からの細菌が尿道に侵入しやすくなっています。そのため急性膀胱炎をひき起こす細菌の中で、もっとも割合が高いのは大腸菌です。

膀胱炎にかかると排尿の時に痛みがでたり、下腹部に痛みを感じたり、普段よりトイレが近くなります。時に尿に濁りや血尿がでたりすることもあります。これらの症状に高い熱発を伴う場合には、細菌が膀胱から腎盂にまで達して『腎盂腎炎』になっている可能性があります。

急性膀胱炎の治療には抗生物質を服用しますが薬の服用期間を守り、膀胱内の菌を早く排出させるために水分をいつもより多めにとります。急性膀胱炎をくり返す場合や、通常の抗生物質でなおらない場合には、膀胱炎以外の病気(たとえば、尿路結石、膀胱腫瘍、産婦人科の病気など)が隠れていることがありますので、詳しい検査が必要になります。

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