8)腎盂尿管移行部狭窄症

泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科

左右の腎臓で作られた尿は、腎盂から尿管を経て膀胱へ送られます。しかし、何らかの原因(先天的・後天的)で、この輸送が悪くなり特に腎盂から尿管へ移行する部分での尿の輸送が障害され、腎盂が腫れた状態を腎盂尿管移行部狭窄症といいます。

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症状には側腹部痛などが見られ、画像所見では水腎所見(腎盂の腫れ)が見られます。将来的には腎機能が低下する可能性があります。この狭窄部分は保存的な治療法では改善が期待できないため手術が治療となります。手術の目標は腎盂尿管移行部の狭窄部の解除にあります。

根本的な治療の方法には、従来行われている(A)開腹術、(B)内視鏡を使った手術(経皮的・経尿道的腎盂尿管移行部手術)や(C)腹腔鏡下手術があります。このうち、(A)は最も古くから行われている治療法で、一般に成功率は80?90%程度といわれています。しかし、腹部に大きな切開創が必要で、手術の侵襲度は最も大きくなります。(B)は侵襲の少ない治療法としての位置付けがされていますが、その反面成功率は60?70%程度で術後長期間のステントの留置が必要で再手術の率も比較的高いのが現状です。(C)は腹部に数箇所程度の穴をあけてお腹の中で腹腔鏡を使って狭窄した部位を切除し腎盂と尿管を再縫合します。すべての操作をお腹の中で行う(C)腹腔鏡下腎盂形成術のわれわれの実績は手術から退院までの日数は7日程度、開腹手術への移行は0%、輸血は0%で全例に症状の改善がみられています

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