間質性肺炎

呼吸器内科

間質性肺炎とは

「間質性肺炎」とは、肺が固くなり、酸素の取り込みができなくなる病気です。

 肺のなかで主に「間質」という部分に「炎症」などの障害が起こる結果、肺活量が減少し、空気中の酸素を血液に取り込みづらくなるなどの問題がおこる病気です。動いた時の息切れで病院を受診し、指摘されることが多いと思います。また、空咳がでて困ることもあります。

 原因は様々ですが、「特発性間質性肺炎」という、原因不明の間質性肺炎の事が多いです。その中で特に、CTで特徴的な像を呈する、「線維化」を主体とする病態の場合は、「特発性肺線維症」と呼びます。また、膠原病など全身の病気の1つの症状として間質性肺炎がでる場合もあります。羽毛布団の羽毛や家カビに対するアレルギーで起こる「過敏性肺炎」やお薬の副作用で肺炎が起こる「薬剤性肺炎」など、原因が明らかなものも間質性肺炎のなかに含まれます。

間質性肺炎の治療

病気の原因を突き止めた上で、治療薬を決めます。診断のために気管支鏡や手術で肺の組織をとることもあります。原因がある場合は原因に応じた治療(たとえば、過敏性肺炎なら原因抗原の除去、薬剤性肺炎なら原因薬剤の中止)が優先されますが、原因不明(特発性)や特別な治療がない場合は、炎症を抑えるお薬として副腎皮質ホルモン製剤(いわゆるステロイド)など免疫を抑える薬を使用することもあれば、抗線維化薬(ピルフェニドンやニンテダニブ)を使用することもあります。残念ながらすべての間質性肺炎の病状をコントロールできるわけではなく、病気の進行により息苦しさが増す場合は、酸素療法を行うなど症状を軽くするよう努めます。特発性肺線維症など、間質性肺炎の中には難病指定の病気も多く含まれます。難病に該当すれば手続きを行います。また、酸素療法が必要になる程肺機能が低下した場合は、身体障害者手帳の交付を申請することもあります。