呼吸器内科

ご挨拶

常勤医7名(2名は腫瘍内科と兼任)で診療しています。当科では呼吸器疾患全般すなわちがん、感染症、びまん性肺疾患から喘息、慢性閉塞性肺疾患など多彩な疾患を扱っております。喘息発作や間質性肺炎の急性増悪など、救急対応が必要な疾患も多く、この度救命救急センター設置により、急性期の疾患をより迅速に正確に診療できるようになれればと思います。

肺癌の症例が多く、超音波気管支鏡など最新の医療機器を用いて診断しています。呼吸器外科、放射線治療科と定期的にカンファレンスを行い、治療法を検討しています。免疫療法や分子標的治療薬など、ガイドラインに基づいた最新の肺癌治療を積極的に取り入れております。

間質性肺炎などのびまん性肺疾患については、急性増悪による緊急入院や検査入院が多く、ステロイド、抗線維化薬による治療を中心に行っております。最近は抗線維化薬の保険適応拡大により、導入症例が増加しています。

感染症として扱う疾患は、当科においては主に肺炎ですが、近年の内服抗菌薬の進歩により、軽症から中等症なら外来で治療することも多いです。しかし膿胸という、肺の外側に感染が波及し膿が胸の中にたまった状態で来院される方もおり、その場合は胸腔ドレナージという膿を外に出す処置を行うため入院が必要です。近年罹患数は減少していますが、肺結核をはじめとする結核性疾患の診断、治療も行っております。伝染性がある場合は当院に結核病棟がありませんので、他の病院への入院をお願いしています。結核と異なりヒトへの伝染性はないですが、肺非結核性抗酸菌症という慢性進行性の感染症も近年増加しており、必要に応じて治療を行っています。

気管支喘息については、近年の吸入ステロイドの普及、および抗体療法の進歩もあり、喘息発作で入院される方はかなり減っております。全国的にも喘息死は減っておりますが、吸入ステロイドを使用しても発作が完全にはおさまらずステロイドの内服が必要な場合や、吸入ステロイドの長期間使用による骨密度の減少など、生活の質に対する影響を減らす動きとして抗体薬の導入を検討しています。

そのほか、生活習慣病の領域では、睡眠時無呼吸症候群の診断のための検査入院や、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断と治療を行っています。職業性肺疾患として、アスベストの吸入に伴う疾患(悪性胸膜中皮腫や良性石綿胸水、肺癌など)や粉塵吸入によるじん肺、喘息などの診断と治療も行っております。

上記のように、多岐にわたる呼吸器疾患の正確な診断と治療を心がけてまいります。

施設認定

  • 日本呼吸器学会認定施設
  • 日本アレルギー学会教育研修施設
  • 日本臨床腫瘍学会認定研修施設
  • 日本呼吸器内視鏡学会認定施設

検査数

  • 気管支内視鏡検査 年間約250件
  • 睡眠時無呼吸検査 年間約50件