喘息外来

呼吸器内科

喘息ってどんな病気?

気管支喘息は、「気道の慢性炎症を本態とし、臨床症状として変動性を持った気道狭窄(喘鳴、呼吸困難)や咳で特徴付けられる疾患」(喘息予防・管理ガイドライン2015)です。

簡単に言えば、変動性のある症状(繰り返し起こる咳、ゼイゼイ・ヒューヒューいう、息苦しい)が発作として見られるのですが、症状を自覚しない時でも気道には炎症が起こっていて刺激に対して過敏に反応します。

非常に多くの人にあるありふれた病気で軽くみられがちですが、コントロールが悪いと死ぬこともあります。

一般には発作のみを喘息と考えている人が多いようです。実際には慢性の気道炎症が存在することで病気の進行や症状に繋がっていくため、この炎症をどのように抑えていくかが重要です。そのためには正しい診断と適切な治療、予防を含めた管理が必要です。

どうやって診断するの?

夜間や早朝に繰り返す咳や呼吸困難の存在、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎の有無あるいは喘息の家族歴、などが参考になります。

客観的には呼吸機能検査で判断します。フローボリューム曲線や気管支拡張薬への反応を見る気道可逆性試験、インパルスオシロメトリーによる気道狭窄の評価、気道での好酸球性炎症の指標となる呼気中NO濃度測定などがあり、専門施設でなければ行えないものも多くあります。

管理はどうするの?

発作治療も行いますが、本来はどのように発作が起こらずに健常人と同様の日常生活を送れるか、病気の進行や重篤な発作を防ぎ喘息死を回避するかを考えた管理が必要です。

まずは喘息について正しく理解し、悪化の因子を減らしていきます。ダニや動物によるアレルゲンは掃除や家庭の環境整備で対応します。インフルエンザワクチンの接種などで感染による悪化を予防します。タバコも悪影響であり、禁煙が必要です。アレルギー性鼻炎も悪化の要因となるため、鼻炎の有無も確認します。

そのようにしてなるべく悪化しないように注意しながら薬物療法を行います。薬物療法の主体となるのが吸入ステロイドです。重症度や症状に応じて長時間作用性吸入β刺激薬や長時間作用性吸入抗コリン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬などを追加します。吸入薬にはコツがいり、繰り返し吸入指導を行います。また、重症患者には抗IgE抗体や抗IL-5抗体などの新規薬剤も使用可能であり、治療の幅も拡がっています。

終わりに

喘息だから症状があるのは当たり前だと諦めていませんか。
元気で活動的な生活を目指して、まずはかかりつけ医にご相談ください。

呼吸器内科主任部長 菅原 文博