脳の老化防止 〜日常の習慣からできること〜

リハビリテーション科

「人や物の名前が思い出せない」「新しいことをするのは億劫)」...思い当たる方はいませんか?記憶力や気力の低下は、脳の老化のせいかもしれません。脳の老化を完全に止めることは難しいですが、生活の中で気を付けることで、脳の老化スピードを遅くすることは可能です。日常生活を工夫して、若々しい脳をキープしましょう。

脳のトレーニング

1.積極的に料理をする

料理をする時、手順を考えながら同時にいくつかの作業をしますが、このときワーキングメモリが使われます。普段料理をしている人は、いつもとは少し違う手順で行うと、ワーキングメモリがより活性化することが分かっています。

2.イメージしてから行動する

イメージを働かせて記憶することで、ワーキングメモリに働きかけることができ、物忘れをしにくくなります。例えば、「はさみを取りに行く」という行動をとる前に、「はさみを取って紙を切るところ」をイメージします。これを毎日繰り返すことで、少しずつ効果が表れてきます。

3.感動や達成感を味わう体験をする

本や映画などで感動する、達成感を味わうといった体験は、ストレスの発散だけでなく、ドーパミンの分泌にも効果的です。このドーパミンとワーキングメモリには、深い関係があることが分かっています。

*ドーパミン...「快感や多幸感を得る」、「意欲を作ったり感じたりする」、「運動調節に関連する」といった機能を担う脳内ホルモンのひとつです。

*ワーキングメモリ...短時間に情報を保持し、同時に処理する能力。日常生活や学習を行うために重要。

4.適度な運動をする

ウォーキングのような適度な運動は、運動は体を鍛えるだけでなく、全身の血流を良くし、記憶力に関係するアセチルコリンなど、脳の神経伝達物質の分泌を活性化させます。アセチルコリンの減少は、アルツハイマー型認知症の原因の1つとされているので、認知症を予防する効果もあります。

作業療法士 小林 沙織