IVR(画像下治療)
IVR(画像下治療)
当科では2020年4月より石川の赴任に伴い、他診療科と連携しながら積極的にIVRも行っています。放射線診断科が行うIVRは多岐にわたり、様々な疾患が対象になります。当科で行っているIVRの一部を紹介させて頂きます。
肝細胞癌に対する経カテーテル動脈化学塞栓術 (TACE)
当院では肝細胞癌の患者さんに、消化器内科、外科と連携をとり最適な治療法を提案しています。
症例提示
治療前 CT では肝両葉に多発する肝細胞癌を認めます。血管造影で多発tumor stain を認めます。DC Beads を用いた経カテーテル動脈化学塞栓術を施行。治療後の CT で腫瘍はほぼ壊死しています。





CTガイド下生検
疾患の確定診断のために生検が必要となることがあります。CTガイドで生検を行うことにより、安全にかつ確実に病変から組織を採取することができます。全身の様々な部位から組織を採取することが可能です。
症例提示
傍大動脈リンパ節生検
膵神経内分泌腫瘍で経過観察中に傍大動脈リンパ節腫大を認め、良悪性の鑑別のため CT ガイド下生検が施行されました。生検の結果良性と診断されました。


肺生検
CT透視を使用することにより、従来のCTガイド下針生検よりも、更に小さい病変をより安全に診断可能となりました。


脈管奇形に対する治療
良性疾患ですが患者さんは比較的多く、時として症状を呈します。治療法は様々で外科的手術、カテーテル手術、硬化療法などがあり、脈管奇形の種類や部位により治療方法を選択する必要があります。
症例提示
肺動静脈奇形に対する塞栓術
脳梗塞を契機として発見された肺動静脈奇形に対して塞栓術を施行しました。その後、再開通は認めていません。


腎動静脈奇形に対する塞栓術
血尿をきたした腎動静脈奇形に対する塞栓術。
異常血管をエタノールとNBCA(液体塞栓物質の一種)を用いて塞栓し症状は改善しました。


CTガイド下ドレナージ
膿瘍は特発性、続発性に形成されます。術後の合併症として形成されることもあります。ドレナージすることにより早期に治癒することができます。ドレナージチューブを挿入する際にCT下で行うと正確かつ安全に留置が可能です。



十二指腸静脈瘤に対する予防塞栓
消化管静脈瘤の中でも異所性静脈瘤は破裂すると致死率が高いため、予防的に塞栓しておく必要があります。当院では難易度の高い異所性静脈瘤でも治療を行えます。




腎RFA
RFAは保険適応となり、腎癌で手術を希望されない患者さんや、手術に適さない患者さんの治療法の選択肢の1つとなりました。


術後リンパ漏の診断と治療
リンパ郭清後のリンパ漏に対する治療も行っています。患者さんは前立腺癌の術後に発熱があり、CTでリンパ漏への感染が疑われました。ドレナージと抗生剤治療後に、排液が持続していました。リンパ管造影でリンパ漏を確認後、塞栓術を施行。リンパ漏は改善しました。

