耳鼻咽喉科・頭頸部外科

ご挨拶

おもな治療

当科では、頭頸部腫瘍の治療を始めとして、滲出性中耳炎、扁桃炎、副鼻腔炎などの手術や顔面神経麻痺、突発性難聴、前庭機能障害(めまい)といった耳鼻咽喉科神経疾患、さらに急性喉頭蓋炎、深頸部膿瘍、扁桃周囲膿瘍などの重症感染症も含めた耳鼻咽喉科疾患全般に広く対応しています。

1年間の新規入院患者数は2021年の346人に比べ389人まで回復しました。新型コロナの影響で不要不急の手術を自粛する期間もありましたがコロナ以前と同水準となっております。

2022年1年間の手術内容は、診療実績のとおりです。新病院移転に伴い、1か月間の手術不能期間がありましたが昨年とほぼ同水準でした。

鼻、副鼻腔や咽喉頭領域の手術ではエアロゾルが発生する可能性があり、手術室で感染拡大の危険性がありますので、入院前に抗体検査をさせていただく場合があります。(医療関係者への感染拡大の危険性であり、患者さん自身への感染拡大の危険性はありません)

1.頭頚部癌の治療

甲状腺、喉頭、咽頭、耳下腺・顎下腺、鼻・副鼻腔、舌・口腔のがん及びがんの頚部リンパ節転移、良性腫瘍の治療を行います。治療法としては手術や放射線治療、抗がん剤による治療等を組み合わせて行います。

当院では、頭頸部がんに対してCT、MRI、PET-CT、シンチグラムなどの画像検査が可能で、画像を用いて詳しく調べることができます。

治療法については、放射線治療医ともカンファレンスを行い、症例によってはキャンサーボード(医師及び医療スタッフ等が集まって、がん患者の症状、状態及び治療方針等を意見交換・共有・検討・確認等 するための検討会)でも検討を行って、患者さんとその家族の方々と話し合い治療を決めていきます。

2022年に行った頭頸部がん、良性腫瘍の手術件数は80件でした(診療実績)。甲状腺がん、甲状腺良性腫瘍の手術件数(35症例)は、コロナ以前とほぼ同水準に回復し広島県内でもトップクラスです。

新病院移転に伴い4月から10月まで放射線治療(IMRT)が行えなかったため、その期間は他病院に紹介していました。そのため抗がん剤と放射線治療を組み合わせた治療を行った症例数は7例で、放射線単独で治療を行った症例は6例でした。前年度と比べてやや減少傾向でした。

また、広島大学病院放射線治療科と協力して、舌がんに対する組織内照射治療、甲状腺がんの転移に放射性ヨード131I内用療法を行っています。適応のある患者さんには対応させていただきます。

近年、頭頚部がんに対して分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬等が適応となり、これまで治療が難しかった患者さんにも薬物療法の選択肢が増えました。当科でもガイドラインに従って適応を検討し、腫瘍内科、薬剤部、副作用に関連する各科、看護部と協力してチーム医療で対応しています。

2.鼻・副鼻腔手術(内視鏡下鼻内手術、鼻中隔矯正術、粘膜下下鼻甲介骨切除術など)

副鼻腔の炎症で鼻にポリープができて鼻がつまったり、膿を含んだ鼻漏が続くような副鼻腔炎では手術の適応があります。また、鼻中隔の弯曲や下鼻甲介の粘膜が腫れて鼻づまりの原因になっている場合も手術の適応があります。当科では、内視鏡を用いた低侵襲で効果的な手術を行っています。当科では、内視鏡を用いた低侵襲で効果的な手術を行っています。また、術後の被覆材を工夫し、可能な限り早期退院を目指しています。

(耳鼻咽喉科・頭頚部外科 主任部長 井門謙太郎)

当科の施設基準

日本耳鼻咽喉科学会専門医研修認定施設