脳神経内科

ご挨拶

日本人の平均寿命は、男性は81.1歳(世界第2位)、女性は87.1歳(世界第1位)で、100歳以上の人口は8万人を超えています。超高齢社会に突入した日本の高齢化率は上昇を続け、2025年には約30%、2060年には約40%に達すると予想されています。さらにWHOの発表では2007年に生まれたお子さんの半分は107歳の長寿であると予想しています。まさしく人生100年時代を迎えようとしていますが、高齢者がなりやすい病気の代表といえば脳卒中と認知症であり、日本人の寝たきり原因の第1位は脳卒中で第2位は認知症、要介護原因の第1位は認知症で第2位は脳卒中です。これらの脳の病気である脳卒中と認知症を診療する科も脳神経内科です。これから脳神経内科についてご紹介します。

(脳神経内科 主任部長 山下拓史)

脳神経内科とは?

脳神経内科とは、どのような科かご存じでしょうか?一言で言えば、脳神経内科とは、脳や神経や筋肉の病気を診断し、内科的に治療する科です。

どのような症状を診るのか?

頭痛、めまい、しびれ、ふるえ、カが入らない、もの忘れ、動作が鈍い、ふらつくなどの症状があれば受診して下さい。神経診察、神経心理検査、CT検査、MRI検査、SPECT検査、電気生理学的検査によって脳神経の病気の診断と治療を行っています。もし、他科(耳鼻科・整形外科・精神科など)の病気であれば、適切な科に紹介いたします。

どのような病気を診るのか?

脳卒中(脳梗塞)、認知症、パーキンソン病、頭痛、痙攣、てんかん、脳炎、髄膜炎、筋萎縮性側索硬化症、重症筋無力症、多発性硬化症、筋ジストロフィーなど多岐に渡ります。当科では認知症の早期発見・早期治療を目指した認知症専門外来「もの忘れ外来」を行っています。認知症患者数は現在600万人と言われていますが、もし、もの忘れや気になる言動がご家族にあれば、かかりつけの開業医の先生に相談して、当科に紹介してもらってください。

入院患者の内訳は、脳梗塞が圧倒的に多く全体の約2/3を占めます。てんかん、痙攣、意識障害、脳炎、髄膜炎、ギラン・バレー症候群など命にかかわる病気で救急搬送される場合も多く、全入院患者の95%は緊急入院です。

脳卒中は麻痺などの後遺症のため社会復帰が困難になることが一番の問題です。脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに分類され、約6割を占めるのが脳梗塞ですが、当科では発症後4.5時間以内の急性期脳梗塞治療としてtPA(組織性プラスミノーゲン活性化因子)による血栓溶解療法を行っており、2021年は36例に施行しました。また、太い脳血管が詰まって起きた急性期脳梗塞には脳神経外科と協力して血栓回収療法や血管内治療を行っています。

脳神経外科との違いは?

一般に脳神経外科は、外科的な治療を行う科です。例えば、手術が必要な「脳出血」や「くも膜下出血」の場合は脳神経外科に入院します。通常は注射や点滴で内科的な治療を行う「脳梗塞」の場合は、脳神経内科に入院します。当院では様々な脳神経の病気について脳神経内科と脳神経外科で合同カンファレンスを毎週行い、両科が協力して診療を行っています。

おわりに

脳神経内科は、2005年に開設された診療科です。地域の拠点として、全ての脳神経の病気に対して高度の医療を提供することを理念としています。もし、気になる症状があれば、まずはかかりつけの開業医の先生に相談して、当科に紹介してもらってください。