腫瘍内科

ご挨拶

がんの治療には、手術、放射線治療、薬物治療がありますが、腫瘍内科は、この中の薬物治療を専門とする科で、安佐市民病院では、2014年に新しく標榜科となりました。近年は、発がんや、がん細胞が増える仕組みが、次々と解明され、同時に薬物治療の進歩は目覚ましい限りです。ノーベル賞を受賞された本庶 佑先生のメカニズム解明から創薬に結びついた免疫チェックポイント阻害剤は、悪性黒色腫、肺がん、悪性胸膜中皮腫、食道がん、胃がん、大腸がん、原発不明がん、腎細胞がん、頭頚部がん 乳がん 子宮がん、リンパ腫など、あらゆるがんに効果を示します。また、がんの増殖に直接関係する遺伝子変異(ドライバー遺伝子変異)に対する分子標的薬など毎年、新薬が登場しています。薬物療法の進歩により、患者さんの生存期間がさらに延長し、また制吐剤など副作用対策の薬の充実を背景に、日常生活を送りながら、外来で抗がん剤治療を受けることができる時代になりました。

この複雑で多岐にわたるがんの薬物治療の専門の科が腫瘍内科です。

腫瘍内科では、多職種によるキャンサーボード(がん診療症例検討会)の運営など、当院で行う、がん治療の指南役となり、患者さんに合わせて、標準的かつ最良な治療法を検討し、副作用対策もしっかり実施しながら、治療します。

高齢、全身状態から、体にやさしい治療を選択することもあります。

外来がん治療を集約した当院の誇る「通院治療センター」の中で、がん薬物療法専門の薬剤師、看護師とともに、チームで 最新最良のがん医療を提供いたします。

(腫瘍内科 主任部長 北口聡一)

キャンサーボードの様子

主な治療対象疾患

腫瘍内科では、乳がん(術前術後)、消化器がん(胃がん、大腸がん)、肺がん(非小細胞肺がん、小細胞肺がん)、肉腫、神経内分泌がん、希少がん、原発不明がんの薬物療法を、他科との連携で、実施しています。

その他、キャンサーボード(複数科、多職種によるがん診療検討会)を毎週水曜日に実施しており、慶應義塾大学消化器内科の浜本康夫准教授、広島大学病院がん治療センターの岡本渉准教授も、WEBにて参加して頂き、患者さんに、最善の医療が届けられるように検討しています。