口腔粘膜疾患
歯科・口腔外科
白板症
口腔内の舌、頬粘膜、歯肉などにみられる白色病変です。比較的頻度も高く、前がん病変とされています。喫煙やアルコール刺激、義歯などの慢性の機械的刺激、ビタミンA, B不足なども関係するといわれています。


症状
潰瘍形成やびらん、角化を伴うことがあり、接触痛を生じることもあります。
治療
しこりや潰瘍を伴うものは初期のがんが疑われるため、組織検査をする必要があります。がん化する可能性があるタイプは切除を検討します。ビタミンA投与、禁煙により治癒することもありますが、時間をかけてがん化する場合もあり、長期の経過観察が必要です。
扁平苔癬
皮膚や粘膜にできる角化性で炎症を伴う難治性の病変です。口腔内では頬粘膜に多く認められますが、舌や口唇、歯肉にも生じます。白色粘膜の角化がレース状に認められ、発赤や上皮剥離を伴います。アレルギー、歯科用金属によるものや遺伝的素因、自己免疫疾患、ストレス、代謝障害などの関与が考えられていますが、定かではありません。

症状
疼痛などの症状がないことも多々ありますが、びらんや潰瘍形成を伴い、頬の突っ張り感や接触痛や刺激痛を認めます。稀にがん化することもあります。
治療
局所はうがい薬や副腎皮質ステロイドを使用した対症療法となります。金属アレルギーテストで歯科用金属が疑われる場合は原因と思われる充填物や冠を除去します。