顎骨嚢胞

歯科・口腔外科

含歯性嚢胞

歯が発生する組織の上皮から生じる嚢胞で、その嚢胞腔内に埋伏歯の歯冠を含んでいます。ほとんど無症状に経過し、エックス線撮影で偶然に発見されることが多くみられます。好発部位は下顎智歯部です。

治療

手術により原因歯の抜歯を含めた摘出を行いますが、前歯や小臼歯部では嚢胞の開窓を行って埋伏歯を萌出させることもあります。

歯原性角化嚢胞

歯原性上皮に由来した嚢胞で、以前は角化嚢胞性歯原性腫瘍という名称で良性腫瘍に分類されていましたが、2017年からWHOによって嚢胞に分類し直されました。内腔に角化物が充満し、術後再発率が高いとされています。好発部位は下顎大臼歯部から下顎枝部です。

治療

手術により摘出を行いますが、再発傾向であるため、病巣が接している骨面の一層削合が勧められています。開窓により嚢胞の縮小をはかってから摘出することもあります。

鼻口蓋管(切歯管)嚢胞

顔面および口腔を形成する胎生期の鼻口蓋管の残存した上皮に由来する嚢胞で、上顎前方正中部に発生します。多くは無症状で、類円形ハート型エックス線透過像がみられます。

治療

手術により摘出を行います。