不整脈分野(カテーテルアブレーション/デバイス治療)
循環器内科
不整脈分野(カテーテルアブレーション/デバイス治療)
不整脈とは
- 心臓は、血液を身体中に送り出すためのポンプの役割をしています。
- 心臓を動かすための興奮の通り道を刺激伝導系と呼びます。
- 不整脈とは、刺激伝導系の異常が生じ、心拍が不規則に乱れたり、異常に速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)する状態のことを指します。
- 不整脈が起きると、動悸や胸の不快感、疲労感、息切れ、めまいを伴うことがあります。

頻脈性不整脈(速い不整脈)
- 1分間の心拍数が100回以上
- 正常な興奮刺激の通り道(伝導路)以外に、余分な興奮刺激の発生源やほかの通り道(副伝導路)が存在することが原因です。
カテーテルアブレーション治療(心筋焼灼術)
- カテーテルで不整脈のもととなる異常な部分を焼く治療法です。
- 主に足の付け根にある太い血管からカテーテルを挿入し、心臓まで到達させます。
- 異常な部分がわかったら、カテーテルの先端から高周波電流を流したり(高周波)、-50~60℃の冷却ガスが入った風船(クライオバルーン)を当てることで、触れている領域の心臓組織だけを電気的に焼灼し、細胞を死滅させます。
- 心筋を焼灼することで、電気が通らなくなり、電気的なブロック(壁)が完成します。
- カテーテルアブレーション治療は年々進化し、全世界で幅広く適応が拡大しており、現在では発作性心房細動に対しては薬物治療が聞かない症例(薬物抵抗性)だけではなく、薬物治療よりも先にカテーテル治療を行うことが推奨されています(Class Ⅰ)。
冷凍バルーンアブレーション
カテーテル先端についた風船に冷却ガスを入れて、血管の入り口を凍傷状態にして異常な電気信号が伝わらないようにします。
適応疾患
心房細動
Japan Lifeline 心房細動なび より抜粋
高周波カテーテルアブレーション
カテーテル先端を心筋に当て、心臓の組織を高周波電流で加熱し、やけど状態にして、異常な電気信号が伝わらないようにする方法です。
適応疾患
心房細動/心房粗動/発作性上室性頻拍/心房頻拍/心室頻拍/心室性期外収縮
Japan Lifeline 心房細動なび より抜粋
心房細動 カテーテルアブレーション治療 (youtube.com)
徐脈性不整脈(遅い不整脈)
- 1分間の心拍数が50回以下
- めまいや失神、疲れやすさを伴うことがあります。
- 主な原因は、刺激伝導系の機能低下によるもので、洞結節の機能が低下する(洞不全症候群)、房室結節以下の通り道がブロックされる(房室ブロック・徐脈性心房細動)が挙げられます。
- このような不整脈に対しては、デバイス(ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD) 、心臓再同期療法(CRT))による治療を行っています。
ペースメーカ
- 徐脈や正常な心拍が出なかった時に、心臓を24 時間監視しながら、心臓に電気的刺激を送る、植込み型電池式の小型コンピュータです。
- 心臓へ電気刺激を伝えるための電線(リード)と電池で構成されていますが、不整脈の種類によって、リードの数や位置、電池の大きさは異なります。
- 近年、リードレスペースメーカが開発され、リードのない、小さなカプセル型のペースメーカを心臓の中に足の付け根からカテーテルを用いて留置します。感染リスクや血管トラブル、整容面の弱点を克服し、より多くの患者様に適応が拡大しています。