急性冠症候群(急性心筋梗塞)、不安定狭心症)
循環器内科
急性冠症候群(急性心筋梗塞)、不安定狭心症)
急性冠症候群とは、不安定狭心症と急性心筋梗塞の総称で、心臓の栄養血管である冠動脈が突然閉塞することで突然死を引き起こす重症な状態をいいます。
冠動脈が高度に狭くなったり閉塞すると心臓の筋肉への血液供給が遮断され、一部が酸素不足になります。
このような病気を虚血性心疾患といいます。虚血性心疾患には大きく安定狭心症と急性冠症候群があり、軽症のものが安定狭心症、重症のものが急性冠症候群です。急性冠症候群は、突然死のリスクが高いため、原則として入院が必要です。
急性冠症候群を発症すると短時間で死に至ることがあるため、一刻も早く治療が必要です。
急性冠症候群は主に冠動脈の動脈硬化が原因です。少数ですが冠動脈の痙攣(スパズム)や解離(血管が裂ける)、塞栓(血栓や細菌の塊が詰まる)によることもあります。
動脈硬化の原因は、高血圧、糖尿病、脂質異常症(高コレステロール血症)、喫煙、肥満、ストレス、遺伝などがあり、日常生活に十分な注意が必要です。
一般的には(6-7割)冠動脈にたまった柔らかい脂肪(粥腫:プラーク)が破れ、それを修復しようと血栓(赤色血栓:赤血球血栓)ができて血管を閉塞させることが急性冠症候群の病態です(図1)。残りの3-4割は粥腫で狭くなった部位に血栓(白色血栓:血小板血栓)ができて血管を閉塞させます(図2)。
急性冠症候群では、再発や二次イベントを防ぐために特にコレステロールを下げる必要があります。日本のガイドラインでは悪玉(LDL)コレステロールを70mg/dL未満に、海外では55mg/dL未満に下げるべきとされています。