乳腺外科

ご挨拶

精度の高いチーム医療と最新機器で最適な治療を選択

乳癌の治療は、手術や放射線治療、ホルモン剤、抗癌剤、分子標的治療薬などを組み合わせて行います。乳癌の場合、同じステージであったとしても患者さん一人ひとりの症状によってまったく治療法が変わってきます。手術方法はもちろんですが、抗癌剤の種類や時期、長さなど、各々に最適な治療を提案しています。

手術は、乳房切除術と乳房温存術の大きく2通りがあげられます。

腫瘍が広範囲に広がっていない場合は、患者さんの負担や整容性のことも考慮して乳房温存術をできるだけ選択し、皮膚、筋肉が癒着しないように柔らかい自然な乳房を作るよう注力しています。また、温存術・乳房切除とも脂肪層を厚くして自然なふくらみが残るようにするなど、完成度の高い手術を行っています。

乳房切除も脂肪を残し小さな傷の整容性の良い手術を行っています。

乳房切除後希望される方には乳房再建も積極的に施行しています。

ご希望の方はお申しでください。

当科では週に一度、乳腺外科・病理診断科・腫瘍内科・臨床検査部・放射線科・看護師が患者さん一人ひとりのカンファレンスを行い、最善の治療を検討しています。

乳癌治療はレベルの高い病理診断が重要です。当院病理診断科は乳線病理が専門で、診断レベルが高く非常に助けられています。

抗癌剤治療に関しては、抗癌剤専門医とチームで担当しています。

術前術後の抗癌剤は腫瘍内科の抗癌剤専門先生が担当し、抗癌剤治療も安心して受けることができます。

専門性を持った各先生がサポートしてくれることで、再発防止に非常に良い成績を残せています。

当院では、最近増えている若い患者さんにフォーカスした診断機器もそろえており、県下で最初に、3D画像診断ができるトモシンセシスマンモグラフィを導入しています。20~40歳代の若い女性は乳腺濃度が高く、通常のマンモグラフィだと白く映ってしまって腫瘍との区別が難しかったのですが、トモシンセシスマンモグラフィは、断層画像を組み合わせて立体で見ることができるので、より正確な画像診断が行えます。エコーについても、最新式のARIETTA60(乳房内の腫瘍について鮮明な画像と硬さの色表示が可能)を導入しており、早期発見の診断サポートに役立っています。

また、2020年4月からは遺伝性乳癌卵巣癌症候群に保険が適応されたためBRCA遺伝子検査を術前に行い手術方法の変更も行っています。遺伝性乳癌卵巣癌症候群では対側乳房の予防切除、婦人科の協力のもと両側卵巣の予防切除も行っています。

検査は女性放射線技師によるマンモグラフィー、女性検査技師による超音波検査を行い、

入院病棟も女性専用病棟への入院となります。2022年5月より新病院に移行し最先端の環境で治療が受けることが可能です。

当院で安心して乳房の治療をお受けください。

(乳腺外科 主任部長 船越 真人)