麻酔科

ご挨拶

当院は日本麻酔科学会の麻酔科認定病院、日本専門医機構の広島大学麻酔科専門研修プログラム専門研修連携施設です。

2020年から2021年にかけて新型コロナウイルス感染症の影響を受け、手術件数が減少しました。2022年5月より新病院となり、手術室も11室に増えました。手術件数も徐々に回復してきています。2022年度は手術室では5553件の手術が行われました。麻酔科はこのうち、局所麻酔のみでおこなわれる手術(小手術)を除いた4285(77%)の手術麻酔を担当しています。このうち579件(14%)が緊急手術でした。

 最近では高齢者(62%)や多くの合併症を持った患者さんの手術が増加しています。安佐北区や広島県北西部は高齢化率が高く、それを反映して後期高齢者は36%90歳以上の高齢者は2%を占めています。予定手術の場合は、周術期管理チームとして医師・看護師・薬剤師などが術前の早期から関与しています。麻酔科外来にて術前診察を行い、手術前に患者さんの状態を評価し、より安全な手術を受けていただけるように万全を期しております。

 手術室には最新の高性能なモニター機器を取り揃えております。患者さんに合った麻酔法を選択し、より安全で質の高い周術期管理を実践しています。

 心臓・大血管手術、食道癌に対する手術、肝切除、開頭手術などの侵襲の大きな手術の術後は集中治療室で多くの職種が協力して治療にあたります(435件、10%)。日本集中治療医学会の専門医資格を持った医師が担当しています。

その他手術室外で、内視鏡センターでの消化管内視鏡治療や放射線科血管造影室での脳動脈瘤に対する血管内治療などの全身麻酔管理(148件)を行っています。

  術後疼痛の治療も積極的に行っています。硬膜外鎮痛(810件)や末梢神経ブロック(180件)を行っています。さらに専用の電動式ポンプを用いた患者自己調節鎮痛(約1130件)などを併用して、患者さんの早期離床、早期社会復帰の支援を行っています。

副院長、麻酔科部長 田中 裕之