病院長挨拶

令和4年5月1日、旧「安佐市民病院」は広島市立北部医療センター安佐市民病院として生まれ変わりました。「北部医療センター」を冠し、多くの方々のご指導、ご協力のもと開院にこぎつけることができました。

「北部」の意味を考える上では、交通の要衝可部の歴史に想いを馳せました。雲石街道の駅として栄えた可部、食料、燃料(石炭)、鉄の交易の場に新たに医療が加わり、帆船が往来した河戸という地に病院が建ったことに歴史の必然を感じます。

新病院の設立許可には、地域医療構想と病院機能分化という二つのハードルを超えなければなりませんでした。北広島町、安芸高田市、安芸太田町と協議を重ね、豊平病院44床を診療所化し、JA吉田総合病院から精神病床20床を統合し、さらに、「安佐市民病院」527床を急性期414床と安佐医師会病院102床に機能分化いたしました。

北部医療センターは、高度急性期機能として、ガン手術に対応するロボット手術を2台、高齢者整形外科疾患に対応するために、脊椎、膝のロボット2台、脳卒中、心筋梗塞、大動脈解離に対応するためカテーテル治療室を4室に拡張し、がん集学的機能として通院治療センターを新設し、AI診断に対応できる内視鏡センター、口腔ケアに対応できる口腔医療センターなど科横断的な組織体制で対応してまいります。

救急・災害に関しては、救急科を新設し、フライトドクターを招聘し、総合診療科、集中治療部とともに、1次~3次救急といった旧来の縦割り救急ではなく、コロナによって急速に進行した医療と介護の一体化に対応すべき地域救命救急センターを開設しました。

医師派遣機能としては、広島県北西部地域医療連携センターの人員を強化し、豊平診療所、安芸太田病院、さらには島根県邑智病院への派遣実績を強化し、安佐医師会病院への支援体制を整えていく予定です。また特定看護師指定研修機関の承認をうけ、在宅医療、急性期医療の看護師を地域全体で育成して参ります。

「地域包括ケアなくして高度急性期なし」を標語として、入院がきまったその日から、退院後の生活支援、後方病院、ケアマネジャー、訪問看護との連携を開始する体制を整えました。WEBをもちいた多職種カンファレンス、遠方の家族との面談を可能とし、DXとして、スマホアプリを利用して、待たされない外来、かかりつけ薬局との連携を模索します。

高度急性期機能、地域包括ケアの生活視点、人材派遣教育体制、DXの4つのマトリックスで様々な試みを進めて参る所存です。多くの関係機関、住民の皆様の叱咤激励、御誘掖をお願いし、北部医療センターが可部の健康ランドとしてスタートした挨拶とさせていただきます。

病院長 土手 慶五