循環器内科 カテーテル手術について
循環器内科
1980年前後に開始された救命救急センター整備事業に伴う冠疾患治療室(いわゆるCCU)の併設は、心血管疾患の治療成績向上に寄与してきました。この30年間、同分野で技術的に最も進歩・進捗してきたのはカテーテルを用いた血管内治療です。当初は冠動脈の狭い部分をバルーンで押し広げるいささか乱暴な手技で始まり、治療数時間以内に発作を起こす例も稀でなく、レジデントが家へ帰れないのは当然といった生活でした。当時パワハラという言葉がなかった時代、幾多の困難を乗り越え、土手、加藤、佐々木は県内外の救命センターで研鑽を積んできました。
1990年代に入ると冠動脈ステント導入、10年前より薬剤を塗布したステントが登場し、長年の課題であった再狭窄の頻度は著明に低下しました。また最新治療として、体内で溶解消失する(つまり異物がなくなる)ステントが、1年以内に使用可能となることが期待されています(ヨーロッパでは認可済み)。
循環器内科には年間約1,100人が入院、半数を超える600症例は緊急あるいは準緊急症例です。カテーテル手術を含めて、年間約500件の侵襲手技治療を行っています。
2016年1月-12月<診療報酬コード 主たる手術>
K5460001 | 経皮的冠動脈形成術 (急性心筋梗塞に対する) | 55 |
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K5460002 | 経皮的冠動脈形成術 (不安定狭心症に対する) | 36 |
K5460003 | 経皮的冠動脈形成術 (その他のもの) | 186 |
K5480001 | 経皮的冠動脈形成(高速回転式) | 12 |
K5490001 | 経皮的冠動脈ステント留置術 (急性心筋梗塞に対する) | 53 |
K5490002 | 経皮的冠動脈ステント留置術 (不安定狭心症に対する) | 32 |
K5490003 | 経皮的冠動脈ステント留置術 (その他のもの) | 182 |
K595 | 経皮的冠動脈血栓吸引術 | 3 |
K613 | 経皮的中隔心筋焼灼術 | 1 |
K5950001 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺) | 16 |
K5950002 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術(その他のもの) | 30 |
K620 | 下大静脈フィルター留置 | 2 |
K616 | 四肢の血管拡張術 | 49 |
K61604 | 経皮的シャント拡張術 | 82 |
K597 | ペースメーカー移植術/交換術 | 68 |
他 | 経皮的僧帽弁拡張術 大動脈弁拡張術 | |
ステントグラフト内挿術等 | ||
計 | 807 |
上記の侵襲手技を円滑、スピーディなおかつ安全に行うにはチー厶としての底力が必要です。そのため当科では、毎年3〜4回の研究業績発表、それ以上の飲みュニケーションを、ここ20数年間欠かすことなく継続しています。
総勢10名の循環器内科医師が日々診療にあたっています。心血管疾患に由来する緊急、危急病態が疑われた場合には、24時間を通じ循環器内科直通携帯までご連絡ください。