高血圧症について

循環器内科

血圧って何?

血液が心臓から出て、血管の中を通るときの圧力のことであり、その単位はmmHg (水銀柱)です。

高血圧の定義と原因

文字通り血圧が高いことを指し、上記の正常値を超えるものを高血圧状態と言います。

高血圧症は日本で最も多い病名

高齢者の3人に2人、総計では約4,000万人が罹患あるいは予備軍と考えられ、国民病と言われる所以です。また感染症を除くと、死亡に関与する危険因子の中では2番目に位置します(1番はタバコ)。ちなみに安佐市民病院の心筋梗塞患者さんの8割は高血圧症です。

予防は?

生活習慣改善とは具体的に運動、減量、減塩の3本柱です。日本人の塩分摂取量は11-14gですが、目標値は6gであり、ラーメンを最後の汁まで飲むと1日必要量の半分を摂取することになります。

何故、命に関わるの?

高血圧そのものは自覚症状がなく、サイレントキラーと呼ばれます。血管内の圧が高いと、動脈壁が硬くなり、血管病、心臓病、脳卒中の原因となります。

治療は?

生活環境、習慣の改善を行っても血圧低下しない場合には、お薬での治療となります。主な降圧薬には以下があり、それぞれの特徴にあわせて内服します。

最後に

血圧を4mmHg下げると、日本全体で脳卒中が1万人、心筋梗塞が5000人減ると言われています。現代人にとって血圧上昇=高血圧症は最もありふれた病気のひとつです。自覚症状はなく、合併症が出てからでは遅いため、早めの予防と治療を心がけましょう。

(循環器内科主任部長 佐々木 正太)