1)副腎腫瘍

泌尿器・前立腺・腎臓・副腎外科
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副腎は左右の腎臓の上に各1個ずつ存在する小さな内分泌臓器です。ここでは体に必要なホルモン(副腎皮質ホルモン、副腎髄質ホルモン)が産生され体内の血圧、血糖、電解質のバランスの維持など重要な役割を担っています。副腎が部分的に大きくなる、あるいは一部に腫瘍が発生することによって、体内におけるこれらのバランスが崩れることで高血圧や糖尿病、多毛などの症状を呈することが以前より知られています。また、一定以上の大きさになった場合は悪性腫瘍の合併の可能性もあります。根治的な治療の方法には、(A)従来から行われているお腹を大きく切開する開腹術、(B)腹部に小さな穴(1cm程度)を数カ所あけてお腹の中で手術を行う腹腔鏡手術があります。(A)は従来から行われている手術法で、現在では大きな腫瘍や悪性が強く疑われる場合に限って行っています。(B)は侵襲の少ない治療法としての位置付けがなされており、多く(95%以上)の患者さんに対し適応となります。これまでのわれわれの実績では手術から退院までの日数は7日、開腹手術への移行は0%、輸血も0%です。