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お薬手帳の活用へ

お薬手帳を活用しましょう

(2016年1月)

みなさんは、お薬手帳を持たれていますか?

drug_v0011_1最近、お薬手帳の評判が悪いそうです。
持ち歩くのが面倒、久しぶりに病院を受診する頃にはなくしている、といった声は以前からありました。
最近の悪評は、主に負担金(負担割合により1020円)に対する反感のようです。

不景気な世の中ですから、何でも安いに越したことはありませんが、本当にその通りでしょうか。

 

お薬手帳の役割

お薬手帳は、アレルギーや副作用歴、薬の使用歴を記録するものです。
受診時に医師に見せたり、保険薬局や入院先の病院で薬剤師が確認することで、飲み合わせや薬の重複、他の治療への悪影響の防止などの役割があります。

お薬手帳が注目されたのは、1993年に別々の病院から処方された抗ウイルス剤と抗がん剤の飲みあわせで死亡者が出た「ソリブジン事件」と、2011年の「東日本大震災」です。

前者では、飲み合わせで副作用が強く出るにもかかわらず、使っている薬の情報がわからないまま薬が処方され、多くの死亡者が出る痛ましい結果となりました。

一方、後者では、地域の医療機関が壊滅状態となった中、被災者が持っていたお薬手帳の情報で災害時に適切な治療を受けることができました。

かかりつけ薬局の薬剤師は、薬歴(薬のカルテのようなもの)の他、手帳に記載されたアレルギーや副作用歴、医薬品の使用歴、現在使用中の医薬品を考慮して、処方された薬が妥当であるかを確認しています。drug_v0011_2
「普段3種類飲んでいるが、薬の名前はわからない」
「むかし風邪で出された薬で副作用が出たが薬品名を覚えていない」といった状況で・・・
「大丈夫か?」と問われても、「分からない」としか答えようがありません。

また、持参した手帳を確認して、その履歴から患者さんの体質や病状を推測するケースも多く、状況に応じた生活上の注意点の説明や、副作用を防ぐための処方変更等に役立っています。
受診した症状が病気によるものではなく、他医で処方された薬の副作用であることも珍しくありません。

お薬手帳は1冊にまとめましょう

安佐市民病院でも、受診・入院される際にお薬手帳の持参をお願いしています。
多くの患者さんが手帳をお持ちくださいますが、時に病院ごとに手帳を分けられている方をお見受けします。
お使いになった薬の情報は一冊にしてこそ意味があり、これではせっかくの手帳の価値も落ちてしまいます。
また現在、国の政策でスマートフォンにお薬手帳のアプリを導入する試みが一部で始まっていますが、仕様の統一化には至っていません。

我が国は未経験の高齢化社会に入っており、慢性の病気で通院される方が、あちこちで薬を処方されるようになってきています。
医療の専門化が進み、一つの医療機関で全ての病気を診てもらうことは難しくなっています。
せめてお薬手帳だけは一冊にまとめて、過少でも過剰でもない医療を受けていただくよう、お薬手帳の活用をお願いいたします。

(薬剤部部長 宮森伸一)

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