診療科案内

脳神経外科・脳血管内治療科

脳血管内治療

「脳血管内治療は影絵の治療である」 これは、私のメンターから初めに言われたことです。直達手術(開頭手術)と異なり、放射線と造影剤で血管解剖しか見えない中で、遠隔操作で(多くの場合、大腿動脈からカテーテルを挿入し、血管の中から血管障害を治す)治療を行うのであるから、心せよという戒めでありました。脳血管内治療の歴史は浅く、20年前は脳神経外科医たるもの開頭手術ができてなんぼの世界であり、対象症例の限定された治療法でした。しかし、「切らずに治療できる」というのは大変な魅力であり、最近の10年で大きな変化を遂げています。本日は、この治療法の3本柱の一つである脳動脈瘤治療について、現在の潮流と最先端の治療技術について簡単にご紹介いたします。

【脳動脈瘤治療】

脳動脈瘤治療と言えば、顕微鏡下にチタン製のクリップで破裂を予防する、開頭クリッピング術が主流でありました。1990年にアメリカでプラチナ製の離脱式コイルが発明され、脳動脈瘤治療の潮流が変わりました。いまや欧米では70%以上がこの脳動脈瘤コイル塞栓術によって治療が行われています。治療のコンセプトは、コイルを瘤内に挿入し、充填することによって瘤内への血流を遮断し、破裂を予防するというものです。当初は、脳動脈瘤の形状により、治療の適不適があったのですが、最近、ステント支援による脳動脈瘤治療が可能となり、治療適応が広がりつつあります。これまでは、間口の広い(広頚=4mm以上)脳動脈瘤では、瘤内に塞栓したコイルが正常血管に逸脱あるいは突出する危険性を考慮しなければなりませんでした。「ステント」と言いますと、多くは血管を拡張するための医療器材を想像しがちです。しかし、脳動脈瘤の治療において、ステントは脳動脈瘤の基部にいわば「足場」を組み、本来流れるべき母血管を温存し、脳動脈瘤のみに十分なコイル塞栓を完遂する役割を果たします。

当院で治療しましたnoge-rnet201710中大脳動脈に発生した未破裂脳動脈瘤症例を呈示します。この部位は多くがクリッピング術で治療されますが、患者の脳血管内治療の希望が強く、当院でステント支援のもとで、塞栓術を施行しました。

脳血管内治療の進化は止まりません。ステントの質的進化もめざましく、脳動脈瘤が発生する血管の血流を整えて治療するコンセプト(整流効果)のフローダイバーターというステント型デバイスも登場し、新たな治療法が模索されつつあります。

脳神経外科・脳血管内治療科部長 松重 俊憲

ページ内容改善の参考とするためにご意見をいただいています。 このページの内容は分かりやすかったですか? 分かりやすかった 分かりにくかった
1人中1人の方から、このページは分かりやすかったとのご意見をいただいております。
外来のご案内
入院のご案内
診療科案内
院内活動
地域医療連携
病院概要