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食道がんの早期発見—何に注意すれば早く発見できるか?

食道がんを早期に発見するには何に注意しなければならないか についてのお話をしたいと思います。

食道がんてあまり聞いたことないけど、患者さんは多いの?

食道がんの1年間の罹患率(診断される割合)は人口10万に対し17.5人で、年間約23,000人の方が新たに食道がんと診断されています。食道がんで死亡される方は人口10万に対して年間9.4人で、約11,200人の方が亡くなっています。広島県では人口が約280万人ですので、1年間に約500人が診断され、約260人が亡くなっている計算になります。

では今回話題にする『早期の食道がん』とはどんなものなのでしょう?

早期食道がんの定義は、がんの進展が食道粘膜内にとどまるものです。つまりはがんが食道の表面しかないものです。この浸潤範囲にあるがんは、転移の可能性が極めて低く、手術ではなく内視鏡で粘膜を切除するだけで治ってしまうことが多いのです。合併症も少なく、食道もそのまま残るので体にも優しい治療と言えるでしょう。当院でも内視鏡内科の先生が積極的に施行しております。ただ、早期食道がんの割合は約13%程度で進行がんに比べるとまだまだ少ない状況です。

早期食道がんではどんな症状に注意したらいいの?

食事を食べた時のしみる感じや痛みを訴えられる患者さんもいますが、約70%の方は特に症状はないのです。つまり、症状がある人の多くはすでに早期の食道がんではないことが多いのです。では、どうすればいいか?

食道がんの危険因子(なり易い人)を知っておきましょう!

一般的に言われている食道がんになり易い人の特徴は、

年齢が60歳以上の人
患者さんの70%60歳上の人です。
男性
患者数を見ると女性1人に対し、男性は6人と圧倒的に男性に多い病気なのです。
よくタバコを吸う人
1日のタバコの本数と喫煙年数をかけた数字を喫煙指数と言いますが、これが600以上の人。 
よくお酒を飲む人
毎日、日本酒にして1.5合以上飲酒される人。
飲酒で顔が真っ赤になる人
このような方をフラッシャーと言い、近年、注目されている危険因子です。『若い時は真っ赤になっていたけど、最近は強くなって真っ赤にならなくなったから大丈夫でしょう』と言われる患者さんもいますが、リスクは変わらないと言われています。飲酒で真っ赤になる人でタバコもよく吸う人は、なんと190倍のリスクがあるとも言われています。実を言うと私もフラッシャーです。注意しないといけません。
頭頸部がん(口や喉のがん)の既往がある人
食道がんの6%の方に頭頸部がんが合併することがあります。
これまでに食道がんで治療経験がある人
私たちの研究では、食道がんの手術後に残った頸部食道や咽頭にがんができることが、術後5年の時点で10.5%あるのです。つまり10人に手術してこのうち一人は、残ったわずかな食道や咽頭にがんが発症していました。このため当院では手術後も、年に1回は内視鏡検査を行うことをお勧めしています。
以上のような因子がある人は、症状がなくともリスクが高いことを知っておいてください。

早期食道がん発見のためにはバリウム検査でいいですか?

バリウムの検査は簡便ですが、早期の病変を発見することは難しいのです。CTMRIPETでもまずわからない。ちょっとしんどいけれども、内視鏡検査が最も有効です。検査時にルゴール染色やNBI(狭帯域光観察)などの検査を行えば、早期の病変を発見することが容易になります。もちろん、当院でも内視鏡内科の先生が行っています。

以上をまとめると、早期の食道がんでは多くの場合は自覚症状がないので、症状がないから絶対安心とは言えないのです。よく飲み、よくタバコを吸う人はリスクがあることを自覚してください。アルコールで真っ赤になる人は、特に注意が必要なため、内視鏡検査をお勧めします。

副院長・呼吸器外科主任部長・外科部長 向田 秀則

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