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整形外科

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特徴・概要

 当科は1980年、故)馬場逸志副院長,現)住田忠幸副院長らにより開設されて以来,脊椎・脊髄外科手術を中心に診療を続け、2008年末までに10924例の脊椎脊髄外科手術を行ってきました。

手術症例数の変遷


 現在では住田忠幸副院長、真鍋英喜主任部長以下4人の脊椎脊髄外科指導医で脊椎脊髄手術を行っております。また、2006年から膝関節を専門とする小林健二部長が加わり、膝関節の診療も積極的に行っています。

 2008 年の全手術件数は 1103件で、脊椎・脊髄疾患の手術が828件(75%)、膝関節疾患の手術が144件(13%)、その他の手術131件(12%)で、大部分が脊椎・脊髄疾患と膝関節疾患の手術になっています。

A)脊椎脊髄手術

 当科の脊椎脊髄外科手術の基本は手術用顕微鏡を使用した低侵襲手術です。

手術用顕微鏡

 1980年開院当初から手術用顕微鏡を導入し、現在では全ての脊椎脊髄手術を3台のLeica社製手術用顕微鏡で行っています。手術用顕微鏡では明るく拡大された三次元的視野が得られるため、繊細さが必要とされる脊椎脊髄手術であっても安全に手術が出来るのが特徴です。

 脊椎脊髄疾患の手術術式は大きく分けて除圧術と固定術に分けられます。全国的には固定術を推奨する病院も多くありますが、当院では開院以来低侵襲で合併症の少ない後方除圧術の手技を向上させて来ました。固定術を行うと骨癒合に2,3ヶ月かかるために治療期間はどうしても長くなりますし、手術時間や術中出血量なども多くなります。重篤な周術期の合併症もあり、さらには術後数年経過すると固定した椎間の隣接椎間で障害を来すことが少なくありません。こうした問題を減らすためできるだけ脊椎固定術を行わないよう努めてきた結果、2008年度の全脊椎脊髄手術症例828例中、固定術を行った症例はわずかに17例(2%)に過ぎず、そのほとんどが脊椎骨折などの外傷と環軸椎不安定症でした。

後方除圧術の患者さんではほとんどの場合翌日より歩行可能で、平均在院日数は3週間以内です。手術時間も短く出血量もごく少量ですので、80歳以上の患者さんも大勢手術をされています(2008年度828例中103例12.4%)。

A-1 部位別の疾患内訳

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 疾患の内訳をさらに詳しく見ていきますと、まず2008年度脊椎脊髄手術828例中頚椎疾患が267例、胸椎疾患が33例、腰椎疾患が 528例という内訳でした。

頚椎高位では頚椎症性脊髄症(147例)、頚椎症性神経根症(33例)、頚椎椎間板ヘルニア(15例)、頚椎後縦靭帯骨化症 (26例)、頚椎症性筋萎縮症(19例)などの疾患を多く治療しています。こうした頚椎疾患に対し前方固定術を行う施設も多くありますが、当科ではほぼ全例後方からの除圧術で対処しており、脊髄症状を呈する疾患では後方からの顕微鏡視下片開き式脊柱管拡大術を、神経根症状を呈する疾患では顕微鏡視下椎間孔拡大術を行っております。いずれの術式でも早期に頚椎の自動運動を行うことが可能で、術後に生じる頚部や肩の痛みも軽度です。

片開き式脊柱管拡大術


頚椎椎間孔拡大術による椎間板ヘルニア摘出

 胸椎疾患自体比較的まれですが、靱帯骨化症14例、腫瘍11例などが多くなっています。

 腰椎高位では腰部脊柱管狭窄症(261例)、腰椎椎間板ヘルニア(106例)、腰椎変性すべり症(92例)、分離すべり症(16例)、腰椎変性側彎症(14例)といった疾患を多く扱っております。すべり症あるいは変性側彎症では脊椎固定術を行う施設も多くありますが、当科では腰椎の支持性を損なわないように椎間関節を温存しつつ除圧をはかる当科の独自の術式である半全周性後方除圧術を行い、固定術を行わなくても良好な成績を得ております。

半全周性後方除圧術

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A-2 脊髄腫瘍

 比較的稀な疾患である脊髄腫瘍も2008年度に23例手術しており、そのうち髄内腫瘍も7例ありました。開院以来2008年末までに当科で手術を行った脊髄腫瘍は389例あり、髄内腫瘍85例(22%)、硬膜内髄外腫瘍(馬尾神経腫瘍含む)209例(54%)、硬膜外腫瘍30例(8%)、砂時計腫50例(13%)で、病理としては神経鞘腫175例 (45%)、髄膜腫46例(12%)、上衣腫28例(7%)、星細胞腫22例(6%)などが多くなっています。

脊髄腫瘍内訳


神経鞘腫

 脊髄腫瘍の多くは良性腫瘍ですが、摘出の際に麻痺を来す恐れがあります。脊髄の外に腫瘍が存在する場合はそれほど危険ではありませんが、脊髄の中に腫瘍が存在する髄内腫瘍では、脊髄そのものを切開することが不可欠のため、手術後麻痺の増悪は必発に近く、髄内腫瘍摘出術は脊椎脊髄手術の中でもっとも難しい手術です。

 当科では麻痺の増悪を来さないために手術用顕微鏡や術中脊髄機能モニタリングなど様々な工夫を重ねてきました。この結果、髄内腫瘍摘出術が難しい手術であることに変わりはありませんが、ほとんどの場合大きな麻痺の悪化を来すことなく手術を行うことが可能となっています。


脊髄モニタリング


麻痺を悪化させないために我々が最も重視していることは、「全摘出にこだわって無理をしない」ことです。境界が明瞭な症例はもちろん全摘出すべきですが、境界が不明瞭で剥離が困難な腫瘍を全摘出しようとして無理をすれば麻痺の悪化を来たすことになります。髄内腫瘍の多くは良性腫瘍ですので再発の危険性は高いものではありません。中には悪性腫瘍もありますが、その場合肉眼的に全摘したとしても再発を予防することは出来ず、放射線治療や化学療法の適応となります。

重度の麻痺を生じ自分の体を動かせなくなると、ある意味では生命を失うよりも辛いことになります。安易に部分摘出を勧める訳ではありませんが、脊髄機能の温存を最大限重視して脊髄髄内腫瘍の手術を行っています。


B)膝関節疾患

  2008年度には137例の膝関節手術(関節鏡手術105例、人工関節置換術24例、高位脛骨切り術8例)を行っております。膝関節外来は月曜日と水曜日です。

スポーツ外傷などによる膝前十字靭帯や半月板損傷などを放置すると、比較的早期に変形性膝関節症に進行することが知られています。このような関節内損傷に対しては、最小侵襲手術である関節鏡(内視鏡の一種)を用いて治療を行っています。入院期間は前十字靭帯再建術で約4週間、半月板手術で約3週間です。

 またすでに変形性膝関節症を発症されておられる症例につきましては、その方の病状や活動性を十分に検討しながら治療法を選択しています。勿論、手術をしない保存治療が大原則ですが、疼痛が強い場合には、手術療法の必要性が生じます。関節鏡視下デブリードマン(関節内の掃除)を行ったり、変形の強い症例に対しては、O脚をX脚にして荷重線を変更することにより疼痛を軽減する高位脛骨骨切り術や、膝の表面を削って人工物によりカバーする人工膝関節置換術を行っております。人工膝関節置換術時には、術中出血を回収して利用する自己回収血輸血を行い、出来るだけ輸血を回避するよう努力し、また術後は早期離床、リハビリテーションを積極的に施行し、約6週間の入院期間で治療が可能となっております。

 年齢を問わず膝の痛みは、スポーツや歩行に支障を来し、充実した日常生活を送ることが困難となります。当科においては、個々の症例に対して治療方針を決定して参りますので、膝関節に関する痛みやお悩みがありましたら、是非お早めにご相談下さい。

外来受診を希望される方へ

 当科では脊椎脊髄疾患と膝関節疾患の手術的治療を専門的に行っております。脊椎外来については月曜から金曜まで毎日脊椎脊髄外科指導医が一人以上診察を行っております。膝関節外来については月曜日と水曜日に診察を行っております。

こうした専門的治療に専念するため、他関節の疾患や外傷については積極的に治療を行っておりません。また、手術以外の注射、投薬、リハビリなどの治療は出来るだけかかりつけ医で行って頂くようお願いしております。

外来では一人一人の患者さんに十分な時間を取って診察を行うよう心がけておりますが、診察時間を充分確保するためにはあまり多くの患者さんを診察することは出来ません。初診の方は紹介状持参の方のみ診察させて頂いており、再診は原則として完全予約制とさせて頂いております。ご不便な点もあるかとは思いますが、質の高い医療を行うためにはどうしても必要な制限と考えております、ご理解頂けますようお願いします。


 
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スタッフ紹介

氏 名
よみ
役 職
卒業年度
専門領域 資 格
真鍋 英喜
まなべ ひでき
主任部長
昭和57年
脊椎・脊髄外科 日本整形外科学会専門医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本脊椎脊髄病学会
      脊椎脊髄外科指導医
小林 健二
こばやし けんじ
部長
平成4年
整形外科一般
スポーツ、
関節鏡手術、
膝関節外科
日本整形外科学会専門医
国際スポーツ・関節鏡・膝関節外科学会員
医学博士 
宮内 晃
みやうち あきら
部長
平成5年
整形外科一般
脊椎・脊髄外科
日本整形外科学会専門医
日本脊椎脊髄病学会
       脊椎脊髄外科指導医
藤原 靖
ふじわら やすし
部長
平成7年
整形外科一般
脊椎・脊髄外科
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄外科認定医
日本脊椎脊髄病学会
       脊椎脊髄外科指導医
医学博士 
吉田 友和
よしだ ともかず
副部長
平成11年
整形外科一般
股関節外科
日本整形外科学会専門医
医学博士
泉 文一郎
いずみぶんいちろう
副部長
平成11年
整形外科一般
脊椎・脊髄外科
日本整形外科学会専門医
医学博士
須賀 紀文
すが のりふみ
医師
平成17年
整形外科一般  
古高 慎司
こたか しんじ
医師
平成18年
 
住田 佳應
すみだ よしかず
医師
平成21年
整形外科一般

外来診療担当

 
一 診 宮 内 藤 原 藤 原 宮 内 吉 田
二 診 小 林 真 鍋 小 林 真 鍋
三 診 随時変更 古 高 形成外科
新 保
午 後 手 術 検 査 手 術 検 査 手 術

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